スーパースターの幻想
タイガーウッズは時代が生み出したゴルフ界のスーパースターである。そして、女性問題というスキャンダルにより消された。
音楽界でいえば、マイケルジャクソンとエルビスプレスリーが二大スーパースターである。世界的なスーパースターの歴史として、エルビス→ビートルズ→マイケルという流れがあり、それぞれが魂を受け継いできた。
エルビスとマイケルは、常人を逸したオーラを持っていたが、ビートルズはイギリスの中流階級の一般的な4人組だった。
ビートルズの中でも、当初はポールマッカートニーが人気だったが庶民的な生活を好んだジョンレノンが殺害されてからは、ジョンレノンがカリスマとなった。
そういったスーパースターは(才能だろうと努力だろうと)全員例外なく、幸せに人生を終えたとは言えない最後を迎えている。
お金に絡む問題、女性に絡む問題、因縁に絡む問題。彼らは自分の特殊能力以外のところでもがき苦しんでいる。それは特殊能力があったがゆえのモノである。
マイケルも毎月1,500万円の豪邸に住んでいようと、側近に横領されたり、お金に縛られ生きていた。彼はビートルズの版権を所有していて、投資家としても一流だったにも関わらずだ。
また、そのスーパースターマイケルと、かつてのスーパースターエルビスの娘との結婚は、次のスーパースター誕生を期待された。そのあとに再婚した人は看護婦という、このギャップは普通理解できないだろう。
彼らのようなスーパースターはもういない。スーパースターの系統は途切れてしまった。
多くの人に夢や希望を与えてきたにも関わらず、彼ら自身は幸せにはとても見えないのが可哀そうだ。どんなに寄付しようが、誤解されてゴシップによって非難中傷される。
どんなに才能があろうと、栄光と富のその先には、幸せもないことが様々なスターによって証明されている。偉人であった人々も、何かによって悩みは尽きない。
最近上映されている、インビクタスという映画をみてもそうだ。偉大な指導者で不屈の魂を持つ、ネルソンマンデラ大統領でさえ身内の因縁の問題を抱えていた。
彼らは身を呈して教えてくれている。どんなに成功したとしても、逆に自由がなくなるだけだと。スターとしての自分の使命を演じ続けなくてはならない。その孤独を理解する者は少ない。
薬がなくては生きていけない人生は壮絶なものがある。皆が彼らに憧れるだろう。しかしその頂点を極めた人が幸せじゃない。
スーパースターでなくても、多かれ少なかれ似たようなものだ。皆が憧れる人たちの中に答えはない。答えは目の前にある。
大衆は憧れる道の行き着く先もわからずに、ただ第三者に流されるイメージを信じ込み、流され生きている。そして、自分を見失っている人がほとんどだ。
本来なら、何の矛盾もなく、魂が燃え尽きて、死ぬ最後には、「ああ、自分の人生は満足だ。よかったな。」と思って、夢のまま終わることができる。一般人もスーパースターも関係なく、最後には魂が燃え尽きることができる。そして、死んだらただの現実に戻るのだ。
満足した人生を生きられるのは、生きている間だけだ。だったらとことん満足な世界に生き、燃え尽きたほうが良いではないか。
いつかはといって宝くじを買い続けるのではなく、目の前の、足元の課題にしか答えはない。
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