人に全面的な変容をもたらすには
「人に全面的な変容をもたらすには、ハンマーを使わなければならない。人を形作っている多くの部分を削り落とす必要があるからだ。人はひどい状態にあり、現状では、すべてがおかしなことになっている。それを直さなければならない。だが、人は自分の生き方にたいへん固執しているので、それを変えようとする人物、表面的に変えるのではなく核心において変えようとする人物は敬遠される。怖がられる。少数の勇気ある者だけが、グルジエフのような人物に近づいていく。たいへんな勇気が必要だ。だが、この勇気があってはじめて、人は生まれ変わることができる」
日常を生きていると気が付かないことが、非日常になると気が付ける。例えば、自動車事故にあう、余命を宣告される、親しい人の死等など。ショックなことがあることで目が開かれる。グルジェフは、人は目を開けたまま寝ているようなものだといった。社会の常識という催眠にかかっている。社会がそのままで問題ないのなら、目覚める必要もない。
誰もがこのままではいけないと思いつつ、その社会を支えているのは自分で、自分を見つめることが近道だとは誰も思わない。自分以外の誰かのせいだと感じている。政治家や責任ある立場の人間たちのせいで、自分たちは何も悪くないと。
多くの人は、今に満足はしていないけど、そこまで変化を求めていないのが現実だろう。楽に自然に勝手に良くなっていけばいいと思っている。だからこそ、ショックが必要になるのだが。。
誰もが夏休みの宿題を最後の日までやりたがらない。宿題の存在にすら気が付かないようにしているから、死ぬ間際になって考え出す。
「こんな人生のはずではなかった」と。
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