BLOG IT! from Passion For The Future: シッダールタ
Passion For The Future: シッダールタ
「「探り求めるとき」とシッダールタが言った。「こういうことが起こりがちです。その人の眼が自分の求めるものだけを見て、その人は何も見いだすことができず、何も心に受け入れることができないということです。その人はいつも求めているもののことしか考えないからです。その人は目標をもっていて、その目標にとりつかれているからです。求めるということは、すなわち目標をもつことです。見いだすということは、自由であること、開いていること、まったく目標をもたないことなのです。」
目標に向かって努力している人は視野が狭くなりがちだという指摘は鋭い。ビジネスのことばかりを考えていると環境や社会のことを忘れがちである。すべてがつながっているということを知る人が見いだす人なのだと、いう。現代のリーダーシップに一番求められていることだと思う。
「シッダールタの心の中で、本当の叡知とは何か、自分が長いあいだ探し求めてきたものは何であるかということについての認識が、自覚が、ゆっくりと成長して花開き、ゆっくりと実っていった。叡知とは、生きているあらゆる瞬間に「一如」の思想を考え、「一如」を知覚してそれと共に生きられるような心構え、心の能力、各個人がもつ技能以外の何ものでもなかった。」(一如=すべては一体で不可分)
しかし、同時に「叡知は人に伝えることができない」ということを悟る。
大義を説くと、すぐに
「具体的には?」と聞かれる。
答えを求めたがる気持ちもわかる。
参考にしたい気持ちも。
感じて動いて、何かしら道が開けることは信じられないようだ。
言葉で聞くと、それだけで、本物の体験ではないのに、あたかも
経験したかのように認識のラベルを張り、判断をする。
意味がないとか、それでは難しそうだとか・・・。
要は、自分が何をしたいか?自分はどんな在り方でいたいか?
真の自分を思い出すのは、そう簡単なことではない。
非日常がそのヒントの一つとなる。
シッダールタ
ヘルマン ヘッセ
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