最近私は牛乳に詳しくなりました。甘いものが好きで生クリームやらバターなどをよく食べていながら、その大元となる牛乳がどのように作られているか、詳しく考えたことがなかったのです。知れば知るほど、これはやばいなぁと。
今、多くのスーパーなどで売られている牛乳は、130度くらいの高熱で2秒ほど高温殺菌されている牛乳がほとんどです。この方法だとタンパク質が焼けてしまうために、脂肪球を細かくするホモジナイズという処理をしています。すると、生クリームが自然に分離してできることがなくなります。高温殺菌だと全ての菌も死ぬので、本来は船舶など長期の保存用として用いられている方法だそうです。なぜそうするかというと、経済的だからですね。長持ちするし問題も起きにくい。その代わり、栄養分も美味しさも減る。ついでに言うと、牛の飼い方が自然ではないために菌が発生しやすくなっていることも理由でしょう。
狭い牛舎に押し込められて、そこで食べて糞もして寝るのです。不衛生だし、運動もしないため不健康で菌が発生しやすいのです。牛のイメージは放牧でしょうが、そのような飼い方をしている牧場は数パーセントです。ほんのわずかです。あと、1番の問題は、牛の餌です。本来、牛は草食です。草を食べるように体ができているのに、人間の都合で太らせたり、乳脂肪分を高めたりするために、穀物飼料を与えているのです。で、やはり病気になりやすくなるわけです。アメリカの穀物を輸入させるための戦略だと言うのは当たっていると思いますね。これからの食料自給を考えると、輸入穀物で牛を飼育するのではなく、牧草で飼育する時代になると思っています。
飲み比べると、低温殺菌でノンホモ牛乳は美味しいです。健康な牛から美味しい牛乳と、自然放牧で有名な中洞牧場さんは宣伝してますね。中洞牧場を経営している、IT企業のリンクさんは、昔取引のあった会社さんで、放牧のことを相談すると色々と社長さんが教えてくれました。10年先輩なので心強いです。
自然放牧だと、1ヘクタールに一頭のスペースが必要です。そんない広い場所を確保できている牧場は少ないから、牛舎飼いになるのです。山地酪農という、山の斜面を使った日本に向いた酪農スタイルも昔から提唱されていたのですが、乳業メーカーが乳脂肪分3.5パーセント以上じゃないと安く買い叩くようになってから、急速に放牧は無くなりました。自然の草だけだと脂肪分に波が出て、3.5を切ることもあるからです。企業の経済活動に、牛や人間を合わせるのはやめて、牛たちの性質に合わせて経済を作るべきだと思うのです。企業中心に考えるから、自然や動物にしわ寄せがいき、結果として人間にもブーメランのように戻ってきて病気になるのですから。余計なことをしない自然に学ぶ経済スタイルが必要だと感じています。もっと、牛や鳥などがどう飼われているか関心を持って、こだわれば、絶対にその方が美味しいです。
今となっては貴重になった放牧。沖縄では肉牛の放牧はありますが、乳牛の完全放牧はありません。折角なのでこの自然放牧に挑戦したいと考えています。牛にとって健康で幸せな状態になってもらって、幸せのおすそ分けを頂いて、乳製品を作りたいなと思っています。これが出来たら最高の贅沢だと思います。今から楽しみです!