神仏たちの秘密
神仏たちの秘密―日本の面影の源流を解く (連塾方法日本 1)
松岡 正剛
我々のご先祖様がどういう風に考えて、言葉や物を残していった
か?実はよく知らないことのほうが多いでしょう。そういうこと
を学ぶより、実用的な英語、科学、ビジネスを学ぶことが当然と
なっているのが現代です。
考え方は欧米のようになりましたが、実は感じているところでは
まだまだ日本的なる情緒、価値観が残っています。言葉は感覚を
まだ残しています。言葉が失われたとき、文化も失われるでしょう。
現代では、不足はダメなものと認識されていますが、
かつてはどうだったでしょうか?
「何かが不足している状態というのは、ふつうは不満の対象で
しかない。しかしそのように考えるのではなく、満足の美という
ものがあれば、同時に不足の美というものがあるのだと考えるん
ですね。ときには、むしろ不足によってこそ、完全や満足という
ものではあらわせないことが出現するとみなす。不足をいかに
美しくするかということによって、人々のなかに満足の美という
ものを感じさせるのです」
そこから、仮名や枯山水が生まれたと。
これは一例ですが、日本的な感じ方、考え方を活かした方法論も
一つの方法として思案してみる価値があるでしょう。
日本的方法を知りたい人は、本書は参考になるでしょう。
その他にも、雑学的なミニ知識がたくさん詰め込まれています。
「真名」と「仮名」
「荒魂」と「和魂」
「ムスコ」と「ムスメ」
「渥美半島」と「安曇野」
「ヒジリ(聖)」と「日知り」
「浄土」と「穢土(えど)」
「いろは歌」とは等々。
社会の波に飲まれずに、自分流の見立てをし、
美意識・価値観の合う仲間を作ることが
現代の箱舟となるのではないでしょうか。
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